M&A一般用語
M&A実務
ノンネーム
譲渡対象企業の名前等は明かさない匿名ベースで、概要(業種、地域、売上規模、特徴など)を簡単にまとめたもの。
相手先が興味を持てば、秘密保持契約を締結の上で社名や資料等を開示する流れが一般的である。
秘密保持契約
情報や資料の開示を受けた者が、それを第三者に開示したり、目的外のことでその情報を使用しない旨を約束する書面のこと。
NDA(Non-Disclosure Agreement)またはCA(Confidential Agreement)と呼ばれることもある。
意向表明書
対象企業の譲受について詳細資料に基づいて検討を行った結果、譲受に際しての希望条件等(自社の紹介、M&Aの目的、金額、譲受方法、従業員の処遇、前提条件など)を買い手側から提示する書面のこと。
基本合意
M&Aの諸条件について売り手と買い手との間で合意した時点で締結する書面のこと。
その後に買い手側による買収監査を実施し、最終契約の締結に至るという流れが一般的。
買収監査(デューデリジェンス、DD)
買い手側がM&Aを実施するに際して、対象企業の財務内容や法務(契約書類)等について詳細な調査を行うこと。
デューデリジェンス(Due Diligence)略してDDと呼ばれることもある。
最終契約
基本合意後にDDを経て、金額や支払い方法をはじめM&A取引に関する様々な事項について取り決めた内容を詳細に記載した書面。
株式譲渡契約または事業譲渡契約のいずれかになるケースが多い。
クロージング
最終契約に基づいて行われる譲渡代金の決済と重要物品等の引き渡しのことをいう。
株式譲渡の場合には譲渡対価の決済と株券や会社の代表印、預金通帳等重要物品の引き渡しなどを行う。
企業評価
企業価値算定
企業価値の算定方法には様々な方法があるが、中小企業では時価純資産に営業権(のれん)を加えて計算するという考え方が一般的である。
時価純資産
資産と負債を簿価から時価に修正した純資産のことで、中小企業のM&Aにおいてひとつの目安とされる。
営業権
M&Aの買収価格で時価純資産に上乗せされる部分の金額のことで「のれん代」ともいう。
目安として利益の何年分といった言われ方をすることが多い。
簿外債務
貸借対照表に計上されていない債務のこと。
売買成立後に発覚するとトラブルの元になるため、M&Aを行う際には特に留意する必要がある。
M&A仲介
着手金
M&A仲介会社等に業務を正式に依頼したタイミングで仲介会社等に支払う費用のこと。
中小企業M&Aにおいては数十万円~100万円程度が標準的。
基本合意時まで無料とする会社、着手金は発生せず成功報酬のみといった会社もある。
成功報酬
案件が成約した場合に仲介会社等に支払う報酬のこと。
一般的には譲渡対価の5%程度が目安になるが、中小企業M&Aの仲介会社では成功報酬の下限を500万円程度(上場仲介会社の場合は1000万円~2000万円)に設定しているケースが多い。
M&Aアドバイザー
M&Aを行うに際して候補先探しから条件の調整ほか案件の成立に至るまでのサポートを行う。
金融機関や独立系M&A仲介会社、士業などが数多くあり、取り扱う案件の規模感や報酬体系等は様々。
自社に合う信頼できるアドバイザーの選定がM&A成功への第一歩。
専任依頼
M&A仲介会社に相手先探しを依頼する際には一定の期間、専任依頼という形をとることが一般的。
それゆえ事前の面談等で実績、信頼度、報酬体系その他契約内容を良く確認したうえで仲介会社を選定する必要がある。